世界史の先生

兄です。

世界史の先生は学校の中でも一、二を争う怖い先生です。

怖いと言っても鼻くそが手にへばり付いて取れない位ですが。

いや、結構怖いか。取れないと嫌だな。

さて、そんな先生がウィーン会議について熱く語りますが、やはりどうでもいい話をして間を取る事は大切らしく、怖い先生も間を取る為に普通の話をします。

「世の中な、頭を使えばお金が稼げるんだからテメェらしっかり勉強しろよ! なぁ!?」

なぁと言われても……。

そんな事を思っていた時でした。

「さて、ナポレオンの戦後処理の目的で――」

ウィーン会議の話の続きをしていた時先生の左手が視界を横切りました。

ええ、いやらしい手になっております。

金です。金マークです。

親指と人差し指で輪っかを作ったままずっと固定されています。

チョークでもの凄く用語書いて、あっ、今黒板を左手で叩いた、しかし! 金マークだああああああああああ!!

そんなにお金が欲しいかあ!

俺も欲しいぞお!!

そのまま授業終了までずっと先生の左手は金マークです。

理由は簡単、誰もつっこめないから。

触らぬ神に祟りなしと言う事を肌で感じた55分でした。