長嶺超輝著
DANGO母です。
毎週土曜日は新聞にオススメ図書が掲載されます。
今回の本は一時話題になって、再燃している本なんだそうです。
それもそのはず、読んでみて面白かったです。
一つの事件に対する判決を出すまでには膨大な量の証拠の読み込みに時間がかかり、そしていちいち重い。
一人の裁判官がかかえる事件は結構な量だそうで、のんびりやってる時間はない。
だから、どんどん数をこなさないと後がつっかえるわけですが、それでも言わずにおれない人間味溢れるお言葉がポロリとこぼれるわけです。
検察の求刑の8割が相場の懲役がセオリーらしいですが、それを越えた判決もあったり、その逆の判決もあったり。
深夜、4人を射殺した暴力団幹部に求刑通り死刑を言い渡しながら
「死刑はやむを得ないが、私としては君にはできるだけ長く生きてもらいたい」
オウム真理教の元ナンバー4、井上嘉浩には、死刑の求刑をしりぞけ、無期懲役の判決を言い渡し
「宗教に逃げ込むことなく、謝罪の日々を送るようにしてください。」
と声をかけました。
なぜなら、彼は修行の天才と言われた人。
もしも教祖の松本智津夫と出会わなければ、マインドコントロールの呪縛なく、真っ当な人生を歩んでいたことと思います。
逆に、教祖の松本智津夫ですが、
「しっかり起きてなさい。また机のところで頭打つぞ」
と叱られています。
裁判に出てきても、まるでやる気がなく、反省もなく、あぐらをかいたり居眠り大あくびと失礼千万な態度。
「いい加減、これっきりにしてください。」
「仕事が忙しいのは当たり前でしょう。そんな言い訳が通ると思っているのか」
「もうやったらあかんで。頑張りや。」
「私があなたに判決するのは3回目です。」
などなど、緊張した場所でぽろっとでる一言が何とも面白かったり、また泣かせたりするのです。
これらのお言葉が気になる方は是非手に取ってお読みになって下さい。
奥深い一言が聞けますよ。