DANGO母です。
萩原慎一郎著。
歌集なんて読むのは初めてです。
歌集なんて似合わないよ、全く。
若い頃に俵万智さんのサラダ記念日が流行ったけれど、手に取る友達を横目に
「私は絶対に読まない」
と思っていました。
歌集なんて小っ恥ずかしい!
さて、こちらの滑走路は、先日、朝日新聞の天声人語で紹介されていました。
“夜明けとはぼくにとっては残酷だ 朝になったら下っ端だから”
“抑圧されたままでいるなよ ぼくたちは三十一文字で鳥になるのだ”
この歌を読んで悲しくなりました。
いつの間にかオバサンになった私でも息苦しいのに、若者にとってはもっと生きづらいのか、と。
夜明けから連想するものは下っ端なのか?
私が若かった頃はバブル時代で、下っ端だとか、そんなの関係ないわよ!気に入らなければやめてやるわよ!などと若さで強がれる余裕があった。
抑圧なんて考えたことなかった。
今の時代はどうでしょう。
こんなにキューキューとした時代に誰がしたのでしょうか。
逃れられない閉塞感をいやでも感じずにはおれません。
今、この歌集をベースに作られた映画「滑走路」も上映中だとか。
(四国の田舎にはいつ来るのやら。)
若者の心の叫びや温もりがたくさん詰まっている一冊です。
心がしんしんします。