悪意

DANGO母です。


買おうかな、やめようかな、と悩んでいるとなくなっていた本がある。
1年越しにまたおめにかかったので、今度は悩まずに買った本。
「悪意」東野圭吾著。
主人公は「新参者」でおなじみの加賀恭一郎。
人気作家が仕事場で殺された。
第一発見者は妻と被害者の幼なじみ。
犯人はあっさりと逮捕されてしまうが、犯行動機を語ろうとはしない。


あっという間に読んでしまった。
普通の殺人事件は、だれが犯人かを一緒に突き止めるものが殆どである。
が、このお話は、犯人は最初の方ですぐに逮捕されてしまう。
なぜ犯人は男を殺そうとしたのか?
殺人動機を刑事加賀恭一郎と一緒に探す物語なのである。
どこまでさかのぼれば、犯人の殺人動機が解明されるのだろうか。
中学時代までさかのぼるのである。
自分探しの旅ならぬ、動機探しの旅に出る。
主人公の加賀恭一郎は、刑事になる前に、2年間だけ中学の教師をしていた。
当時の苦い思い出も噛みしめながら、犯人の心の奥を探るのである。
加賀恭一郎が犯人に言う。
「いじめには決して終わりはない。当事者が同じ学校にいる限り続くのです。教師が『いじめはなくなった』という時、それは『なくなったと思いたい』といっているにすぎないのです。」
と。
そう、中学時代のいじめ問題が薄黒い心の闇となってお話の後半からじわーっと広がりを見せます。
「悪意」って何?
子供達もお父さんお母さんも読む価値ありです。