秋葉原事件 加藤智大の軌跡

DANGO母です。


久しぶりに本を一冊読みました。
秋葉原事件 加藤智大の軌跡」中島岳志著。
今回、この本を読むきっかけになったのは、朝日新聞の土曜日に挟まっている「赤be」の一面に映画「電車男」のことが取り上げられていたからです。
オタク、アキバ、2チャンネル、とくれば「電車男」と連想する方もまだ多いはず。
電車男は顔の見えない名前も知らない人達にネットの掲示板を通して応援されて、めでたくエルメスさんという女性とお付き合いする、というお話です。
そして、アキバといえば秋葉原事件の加藤智大。
なぜ電車男はハッピーエンドなのに、秋葉原事件の加藤智大は多くの他人を巻き込んで自ら不幸の道を選んでしまったのか。
中島氏はよくよく調べて書いています。
加藤智大の生い立ちにはじまり、学生時代、大人になってからの生活、一体どこがいけなかったのだろう、と一つずつ検証しながら書いています。
ついつい引き込まれるように読みました。
感想は、今の世の中、誰でも加藤智大のようになる可能性を持っているということです。
実際に無差別殺人をするかどうか、ということではありませんよ。
孤独で居ごこちのいい場所が見つけられない。
心を開いて話せる友達や家族がいない。
ウソの世界に宙ぶらりんでいる自分は何なのか?
読み終わってもまだまだ考えさせられる一冊でした。