悪人 

DANGO母です。


妻夫木聡、初の悪役!
と話題になった映画「悪人」の原作になりました。
吉田修一著。
「誰が本当の悪人なのか?」
映画封切り当初は「勝手に盛り上がってろ!」と思って、観ずじまいでした。
が、ブックオフで上下巻、各105円ということで読んでみた。
確かにツマブキ君が主役で殺人犯なのではあるが、彼を取り巻く人間、環境、貧困
生い立ち、等々をつぶさに見ていく・・・というよりも、読み進めるうちに
「誰が本当の悪人なのか?」
と、問いかけたくなる。
ズンズンと進む物語を遮るように、ふいに、登場人物の証言が入る。
事件を振り返るコメントだ。
そのコメントは、決してツマブキ君を擁護するものではない。
「私は悪くないわよ!」
自分を守る言葉しか並んでいない。
「確かに犯人はツマブキ君なんだけど、本当に悪いのは誰なのか?」
と、読み手に問いかけてくるのである。
大仏次郎賞と毎日出版文化賞を貰っている「悪人」是非読んでみてね。