DANGO母です。
内館牧子著。
この方の作品を読むのは初めてかも。
こんなに面白いとは思いませんでした。
主人公は78歳のおばあちゃん。
ある日、実年齢よりも年上に見られたことがきっかけで、いつも綺麗に磨きをかけて勉強して、今では実年齢よりも10歳は若く見えるようになりました。
同窓会に行っても、女友達には妬まれ、どうでもいいハゲ親父はぞろぞろ寄ってくる。
いやよ、そんなの。
もうあの集まりには行かない!
優しくて折り紙にしか興味のない大人しい夫と仲良く遊ぶ。
ところがある日その優しい夫が急死、遺言状には知らない女性と男の子の名前があるのを発見するのをきっかけに物語が動いていく。
中身のない人に限って「やっぱり中身よね」という、が、どんだけ中身がいいんだ?
だらしない格好をしている人に限って「私はナチュラルなの、ありのままなの」と手抜きを肯定する。
「どうせすぐに死ぬんだから」は年寄りの免罪符。
などなど、主人公が一言言うたびに心の声も一緒に言ってくれるので、もっと名言はないか?と読み手側も必死になって文字を拾う。
頭がキレて美しい女性にはみんなかなわない。
夫が隠し続けた愛人の元へ乗り込む時のやりとりも圧巻です。
笑いあり、涙ありの人生色々が詰まっています。
ぜひご一読下さい。
まだまだ読書の秋は続きそうです。