私を離さないで

DANGO母です。


ようやく読みきりました、「私を離さないで」カズオ・イシグロ著。
ゆっくりゆっくりと始まり、最後に明かされる真実。
人間と同じ形をしているクローン。
クローンに魂はあるのか?
臓器を提供するだけのクローン。
不治の病が治るのであれば、クローンを作って臓器を入れ替えていいのか。
自分自身はそんなに長生きしなくていいと思っていても、子や孫が不治の病にかかって、移植さえすれば助かると言われたらどうするか。
クローンに人権はないのか。
人間とクローン、どこで線引きをするのか。
色々と考えさせられる一冊でした。


先日、とある新聞で、日本は大病院ですらまだまだ臓器移植の体制が整っていないし、提供者が少ないと書いてありました。
日本で臓器移植が始まった頃は本人の承諾が必要で年齢制限もあったのに、あまりに承諾する人が少ないので、脳死状態になったら、本人の意思を問わず、家族が承諾すれば移植してもオッケーということになりました。
最近では免許証の裏にも臓器移植の意思を示す文言があります。
「おまえの臓器は古いからいらないよ」
と言われるでしょうけど、これを機にちゃんと意思表示しとかなきゃ、と思います。