フジコ・ヘミング

DANGO母です。


夕べなかなか眠れずにテレビを観ていると、NHKのEテレアーカイブスで
フジコ・ヘミング特集をしていたので、ついつい観てしまいました。
というより、聴いてしまいました。
彼女の得意な曲はリストのラ・カンパネラ。
リストのピアノの曲は弾き手泣かせの難曲といわれているそうですが、
フジコはヨーロッパでは「リストを弾くために生まれたピアニスト」と
絶賛されたそうです。
年齢不詳、国籍不明、私はどこの誰でもない、という生き方。
それを簡単に「自由」という一言でくくってはいけません。
国籍がないということは、パスポートが取得出来ないので、
国外に出ようとしても出られない。
自由とは、不自由ということです。
彼女が若かりし頃、ドイツに音楽留学をやっとのことで果たし、世に認められ
さあ、これからが私の時代よ!と光り輝いたのもつかの間、風邪が原因で
全く耳が聞こえなくなり、今も片耳の4割しか聴力が回復していないそうです。
「星が落ちてきたようだったわ、あの頃のことは思い出したくもない」
とのこと。
彼女の人生の変遷を思いながら、彼女の弾くラ・カンパネラを聴く。
ギスギスせず、かしこまらず、流れるような旋律、しかも退屈しない。
それはフジコの生き様そのもののようである。
素晴らしい!
眠ろうと思って聴いていたけど、結局番組終了の2時まで眠れず。
「機械みたいにキッチリ弾くのはいや。私の弾くリストが好き」
と言い切るフジコ、カッコイイです。